魚病研究
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流行性潰瘍症候群(EUS):1997年までの知見
Supranee Chinabut
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1998 年 33 巻 4 号 p. 321-326

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抄録

 流行性潰瘍症候群(EUS)は1980年頃からアジアおよびインド太平洋地域で流行している。 本病は大雨の後のやや涼しい時期に種々の魚種に発生し, 初期には体表の点状出血を特徴とし, それが後期には潰瘍へと発達する。 患部には真菌性肉芽腫が観察され, これが本病の診断のための鍵となる。 本病の原因についてはいろいろ論争があったが, 本病は伝染病であり, 真菌 Aphanamycesinvadans が第一次原因体であり, 魚病からしばしば分離あるいは観察される各種ウイルス, 細菌および寄生虫は第二次感染体であると考えられる。

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© 日本魚病学会
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