抄録
マガキ母貝飼育水から, マガキ幼生に対して病原性を示す Vibrio 属細菌の増殖を抑制する海洋細菌を分離した。分離された51株のうち, 12株が供試した3種類の Vibrio 属細菌に対し寒天平板上で強い発育阻止能を示した。最も強い発育阻止能を示した S21 株を用いて, マガキ幼生における感染阻止能を試験した結果, V.alginolyticus のみを接種した実験区では, 感染24時間後の幼生の生残率が8.4%であったのに対し, S21 株を共存させた区では78.0%となり, 大幅な改善が認められた。