魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
ニジマス体表面における蛍光ビーズの取り込み
桐生 郁也乙竹 充中西 照幸若林 久嗣
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 35 巻 1 号 p. 41-48

詳細
抄録

 魚体表面における水中微粒子の取り込み機構を明らかにするため, 直径1μmの蛍光ビーズ懸濁液にニジマス稚魚を浸漬後, 魚体表面を流水で洗浄した。その1分後から24時間後まで経時的に体表面に付着または取り込まれたビーズを定量し, また, 光顕・電顕を用いて組織学的に体表を観察した。その結果, 魚体洗浄後も体表の微小創傷部の表面にはごく少数のビーズが付着し続け, 遊走性の上皮細胞が創傷を被覆して修復する過程で, これらのビーズは遊走性の上皮細胞に取り込まれたり, 真皮層に包埋された。この所見は実験的創傷でも確認された。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top