魚病研究
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Aphanomyces piscicidaに対するコイ血清の殺真菌活性
倉田 修金井 仁畑井 喜司雄
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2000 年 35 巻 1 号 p. 49-50

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抄録

 真菌性肉芽腫症の原因菌であるAphanomyces piscicidaに対し, コイ血清は殺真菌活性を持つことを明らかにした。A. piscicidaの胞子とコイ血清を混合培養後, 顕微鏡にて観察したところ, コイ血清は, 胞子の発芽および発芽後の菌糸の発育を抑制し, 菌糸原型質を褐色に変化させ, それらの菌を死滅させることが確認された。試験に用いた多くのコイ(55尾中44尾)に本活性が認められた。血清中の抗菌因子は, 50℃, 30分間の処理で失活せず, ザイモザン処理による影響を受けず, 100kDa以下の低分子であることが示唆された。

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