魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
養殖イサキに発生した細胞内寄生細菌による肉芽腫症
福田 穣岡村 愛西山 勝川上 秀昌釜石 隆良永 知義
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 37 巻 3 号 p. 119-124

詳細
抄録

 中国産イサキ輸入種苗および中国産親魚から種苗生産されたイサキに, 腎臓と脾臓での小白点を特徴とする原因不明の死亡が見られた。 組織学検査およびスタンプ標本観察により, この小白点を特徴とする原因不明の死亡がみられた。 組織学検査およびスタンプ標本観察により, この小白点は肉芽腫であり, その内部に球菌状の細胞内寄生細菌(ICB)が認められた。 病魚の脾臓磨砕液を健康なイサキに接種したところ, 接種魚は全て死亡し, 全ての魚に自然発病魚と同じ ICB を伴う肉芽腫が観察された。 以上の結果から, 本病は当該 ICB による疾病であることが強く示唆された。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top