2004 年 39 巻 4 号 p. 175-181
孵化直前の海産白点虫のトモント(シスト)を海水と3%食塩加TSAの薄片ともに培養フラスコ内に加え, 23~25℃で培養した結果, 孵化したセロントは寒天に付着してトロホント(栄養体)に変態し, 10~13日生存した。また, 人工培地(海水50%, L-15培地30%, 牛胎児血清20%)を12穴ウェル内に加えた場合にも同様な変態が観察され, 8日間生存した。しかし, いずれの場合も栄養体に変態したセロントの割合は低率にとどまった(0.28~1.71%)。栄養体は平均115~296μmに成長したが, トモントを形成することはなかった。