冷水病に自然感染したアユを材料として, 病原体Flavobacterium Psychrophilumの卵表面および卵内での存在の有無を培養法で検討した。未受精卵と受精卵の表面からの冷水病菌検出率はそれぞれ29%(65尾中19尾)と17%(30尾中5尾)であったが, ヨード剤(5ppm, 10分)または過酸化水素(150ppm, 30分)による消毒後には卵表面からだけでなく卵内からも検出されなかった。以上の結果から, アユにおいては冷水病菌の卵内感染の可能性は低く, 消毒剤で卵表面を殺菌することにより冷水病の垂直伝播を防止できると考えられる。