魚病研究
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魚類感染症に対する新化学療法剤Nifurprazine(HB-115)の研究-I
白木 建二宮本 文雄佐藤 紀久曽根 崎巌矢野 邦一郎
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1970 年 4 巻 2 号 p. 130-137

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抄録
 新ニトロフラン誘導体Nifurprazine(HB-115)の魚病病原菌に対する抗菌力及びウナギに対する薬浴毒性,薬浴効果を調べた。1. HB-115の魚病病原菌V. anguillarum, Aeromonas Chondrococcus及び海水由来のVibrio菌に対する抗菌力は,0. 01~0.04mcg/mlと極めて強く,ニトロフラゾン,フラゾリドン,クロラムフェニコール,クロルテトラサイクリンと比較しても,20~300倍の抗菌力がある。2. ウナギに対し,20℃ 30分薬浴において,300ppmでも毒性はあらわれなかった。3. ウナギにおける感染防御実験では,HB-115 30分薬浴で, V.anguillarum感染に対し,5ppmで80%,1ppmでも40%の魚が生残し有効であり, Aeromonas感染に対しては,10ppmで80%の生残効果を示した。これはニトロフラゾン,フラゾリドンにくらべて,顕著な防御効果を示している。
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© 日本魚病学会
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