新ニトロフラン誘導体nifurprazine(HB-115)のハマチに対する薬浴毒性,薬浴体内濃度,経口毒性およびbioautographyによる経口体内濃度を調べた。1,ハマチ幼魚に対するHB-115の薬浴毒性は,水温により相当の差がある。10分薬浴では,25℃,20℃,15℃でのそれぞれの安全限界濃度は,13.3ppm,33.3ppm,46.7ppmであり, LD50はそれぞれ,36ppm,96ppm,238ppmとなり,5℃の温度上昇により,2.5倍前後の毒性があらわれた。2,ハマチに対する経口毒性は,66.7mg/kg BW 3日間連続投与しても,投与の影響はまったく見られなかった。3,Bioautographyによりハマチ体内へのHB-115の移行を調べたところ,各区により差が認められた。特に66.7mg/kg BW投与区のハマチの切片にStaphylococcus aureusの発育を顕著に阻害する作用が認められた。4,HB-11530ppm,10分薬浴をおこない,時間をおって体内濃度を測定した。全血中においては,薬浴直後に,2.2mcg/ml(25℃),1.0mcg/ml(20℃),0.92mcg/ml(15℃)を示し,以後比較的長時間残留した。また筋肉,エラへの移行は少なく,肝臓においては,まったく検出されなかった。
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