魚病研究
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ニジマスの消化管寄生鞭毛虫Hexamita salmonisの駆除について
佐野 徳夫牛山 宗弘
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1970 年 4 巻 2 号 p. 125-129

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抄録
 ニジマス稚魚のヘキサミタ症について症状,病害などを観察し,病原虫の駆除実験を行なった。1. 本鞭毛虫が寄生しても外観上,健康魚と見分けがつかない個体がかなりいることが分った。しかし,これらの魚は環境の変化に対して死にやすいことを示した。このことは,選別や移動作業などによって大量斃死する傾向を示唆している。2. 本鞭毛虫の駆除法としては,エンヘプチン,フラゾリドンなどの投薬が有効であった。実験的に,フラゾリドンは10倍散剤で1日量として魚体重1kg当り200~400mgの割合で餌にまぜ,4~5日間投与することで本虫を駆除できることを示したが,実際的な投薬に当っては,本虫発見後連続して9日間行なうことが望ましい。
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© 日本魚病学会
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