抄録
日本の養殖クルマエビで報告されている感染症と非感染症について概説した。特に大きな被害をもたらした病気としてはBMN, ビブリオ病およびPAVがある。BMNは種苗生産場で発生したが, 洗卵法の導入により1993年以降発生がみられていない。ビブリオ病は2期作が普及していた1980年~1990年代に流行し, 毎年生産量の20~30%の被害をもたらした。PAVは1993年に中国から種苗とともに持ち込まれ, 以後,養殖エビのみならず, 放流用種苗にも甚大な被害を与えている。最後に, 防除対策として, 防疫や耐病性育種について論じた。