抄録
ホルマリンで不活化したベータノダウイルスのワクチンとしての有効性をマハタ稚魚を用いて調べた。不活化ウイルスを腹腔内接種すると10日後からウイルス中和抗体が検出され, 免疫後21~77日の間,平均1:2000以上の高い抗体価で推移した。抗体価はその後低下したが160日後でも抗体保有魚が認められた。免疫14,35および74日目にワクチン株による注射攻撃試験を行った結果, ワクチン接種区は対照区に比べていずれも有意に高い生残率を示した(RPS=67~100)。また, 野外での自然感染に対しても高いワクチン効果が認められた(RPS=85)。