魚病研究
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ウナギに対する新ニトロフラン誘導体Nifurprazine(HB-115)の研究
毒性と体内分布
石井 俊雄松丸 豊森岡 保金井 計雄
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1971 年 5 巻 2 号 p. 107-111

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抄録

 ニトロフラソ誘導体nifurprazine(HB-115)のウナギに対する経口毒性,薬浴毒性及び薬浴体内濃度を調べた。1. ウナギにHB-115・HClを267mg/kgの割合で強制経口投与した時も52.2mg/kg/日で7日間経口投与した時も何ら毒性は認められなかった。2. シラスウナギをHB-115・HCl溶液に15℃,30分薬浴した時,100ppmまで何ら毒性は認められなかった。15℃,48時間薬浴時のTLmは日本産シラスウナギで5.5ppm,フラソス産シラスウナギで6.1ppmであった。3. HB-115・HClとして40ppmの溶液に,25℃で30分間薬浴を行ない,薬浴後15分より時間をおってウナギ体内濃度を測定した。血漿及び表皮では薬浴後15分で,それぞれ1.4mcg/ml及び1.5mcg/gと最高濃度を示し,以後時間の経過とともに減少して,8時間目以後は殆んど検出されなくなった。HB-115・HClとして2ppmの溶液に,25℃で24時間薬浴した直後においては,血漿及び表皮中に検出され,その濃度の平均値はそれぞれ0.07mcg/ml及び0.37mcg/gであった。肝臓,腎臓及び筋肉においてはHB-115・HClは全く検出されなかった。

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© 日本魚病学会
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