抄録
最近魚病治療剤として数種類のサルファ剤が多用されているが,その作用の中で魚に対する毒性については水産薬として製造許可された2,3のサルファ剤を除いてはほとんど明らかにされていない状態と言える。特にハマチに関しては治療効果はともかく毒性については検討されないまま使用され,昭和44年の静岡県および三重県におけるスルフイソミジンによる骨折事故の発生などをみるに至ったと言える。このハマチでの骨折をともなう副作用については窪田らが本誌にスルフイソミジンについて報告しているが,著者らは今回スルフイソミジンおよびスルファモノメトキシン大量投与時の骨折発生の有無と,その時の組織内濃度について検討したので報告する。