魚病研究
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アマゴ〓瘡病の病理組織学的研究―I
病原菌の集落形成
窪田 三朗鎌田 淡紅郎
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1971 年 5 巻 2 号 p. 116-119

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抄録

 1) アマゴの〓瘡について臓器内の菌集落を中心に病理組織学的観察を試みた。2) 重症魚では腎臓・脾臓・心臓などに肉眼的に菌集落が観察されることもある。3) 菌集落の形成は主として体液の流れに乗った菌に由来し,間質に定着後はそこで集落を形成する。4) 集落を構成している病原菌も比較的分散しやすい。5) 集落は周囲の実質組織に対して影響力が小さく,魚に対する病原菌の致死作用も弱い。6) 菌集落は呑喰細胞の集中を招くが,結節を作らない。7) 臓器に見られた退行性病変は個体差が大きく一様性が少ない。

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