魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
魚における血流中接種細菌の動態に関する研究―II
ウナギの血流中におけるAeromonas菌の消長に伴う白血球の変動
畑井 喜司雄
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 7 巻 1 号 p. 34-43

詳細
抄録

 1) 毒力および菌量を異にするAeromonas liquefaciensをウナギの動脈球より接種し,血流中における白血球組成の消長を検討した。2) 菌接種後,血流中の白血球は速やかに増加するが,著しく増加するのは好中球であり,リンパ球や単球にはほとんど変化がみられなかった。3) 致死量接種の場合,致死寸前まで血流中の好中球は増加した。いっぽう,致死量でない場合,血流中の菌数の減少とともに好中球もまた減少した。4) 以上の点からウナギの実験的Aeromonas感染症の血流中において,もっとも活発に食菌し除菌作用に寄与する細胞は好中球である。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top