1972 年 7 巻 1 号 p. 34-43
1) 毒力および菌量を異にするAeromonas liquefaciensをウナギの動脈球より接種し,血流中における白血球組成の消長を検討した。2) 菌接種後,血流中の白血球は速やかに増加するが,著しく増加するのは好中球であり,リンパ球や単球にはほとんど変化がみられなかった。3) 致死量接種の場合,致死寸前まで血流中の好中球は増加した。いっぽう,致死量でない場合,血流中の菌数の減少とともに好中球もまた減少した。4) 以上の点からウナギの実験的Aeromonas感染症の血流中において,もっとも活発に食菌し除菌作用に寄与する細胞は好中球である。