抄録
1972年春,夏,秋の3回にわたり徳島県下の養鰻池において赤点病発生の状況を調査した。1)春には赤点病が多発し,夏にはそれが治まり,秋に入り再発したことが,現場の調査および病原菌Ps.anguillisepticaの出現の面から確認された。水温からみると,日中水温が26~27℃になると止まり,水温が20℃以下になると再発する傾向がうかがえた。病原菌自体の性質においても25℃以上になると不活発になり,水温26~27℃で発病能力がなくなることが確められた。2)本病は塩分を含む池で日本産のウナギに発生しやすいことがわかった。3)特に春の調査魚にはPs. anguillisepticaのほかにAeromonas liquefaciens,Vibrio anguillarumが同時に感染している病魚が認められた。