魚病研究
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魚類におけるクロラムフェニコールの吸収および排泄―I
養殖ハマチに経口投与した時の組織内濃度
畑井 喜司雄平岡 孝佐橋 佳郎松島 又十郎岩橋 義人佐々木 正水野 尚樹江草 周三
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1974 年 9 巻 1 号 p. 50-70

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抄録
 1. 養殖ハマチに水産用クロロマイセチン散をCPとして50 mg/kgまたは100 mg/kgを経口的に1回投与して経時的にCPの魚体内濃度を測定した。 2. CPを50 mg/kg投与した結果,概略4~8時間後にCPの魚体内におけるピークがみられた。ピーク時における活性体の値は血液で8.6μg/ml,肝臓で14.1μg/g,腎臓で162μ9/9,脾臓で20.1μg/g, 筋肉で5.4μg/gであった。その後魚体内のCPは徐々に減少し,48時間後にはほぼ消失したが脾臓ではなお8.6μg/g検出された。 3. CPを100 mg/kg投与した結果,50 mg/kg投与時のほぼ倍量のCPが検出された。 4. 養殖ハマチの細菌性疾病,すなわち類結節症およびビブリオ病の治療を目的とするならばsomg/kgの 投与量は各々の病原菌に対するMICの10倍以上の臓器内濃度をほぼ24時間維持する量である。
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© 日本魚病学会
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