2019 年 19 巻 1 号 p. 45-49
近年の解析技術の発達に伴い,研究現場から産出されるヒト試料由来のオミクスデータが爆発的に増えている.しかし,日本においては機微性の高い個人毎のデータを共有するための公的リポジトリがなかったことから,バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)では,「NBDCヒトデータベース」(https://humandbs.biosciencedbc.jp/)を構築し,2013年10月に運用を開始した.これまでNBDCヒトデータベースに登録されたゲノムデータ約18万人分から得られたヒトゲノムのリファレンス配列との違い(バリアント)の情報や,国内外の研究プロジェクトから公開されているバリアント情報,国内外の様々なデータベースから公開されているバリアントの解釈に関する情報などを集約してワンストップ検索を可能にした,日本人ゲノム多様性統合データベース「TogoVar」(https://togovar.org)を,ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)と共同で構築し,2018年6月に公開した. 本稿ではこれらのサービスの概要を紹介する.