家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
19 巻, 1 号
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特別寄稿
症例報告
特集(解説):研究者間,研究者−医療者間のリンケージ
  • 松原 長秀
    2019 年19 巻1 号 p. 9-
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 石川 秀樹
    2019 年19 巻1 号 p. 10-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    消化管ポリポーシスには,家族性大腸腺腫症やPeutz-Jeghers症候群,Cowden症候群,若年性ポリポーシスなどがある.これらの疾患は,稀少疾患であるが,比較的若年から発症する,消化管全体にポリープが多発することがある,遺伝性のことが多い,ポリープが癌化することがある,全身に多彩な随伴病変を伴うことがあるなどの共通の特徴がある.これらの疾患の概要を記し,また,これらの疾患について研究や医療体制整備を行っているグループを紹介した. 消化管ポリポーシスは稀少疾患であるが,消化管発癌機序の解明にも大きく寄与する可能性があり,これからも専門家が積極的に研究を進めるべき疾患群と考える.
  • 赤木 究, リンチ症候群の拾い上げ及び遺伝子診断に関する多施設共同研究
    2019 年19 巻1 号 p. 13-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 江口 英孝, 岡﨑 康司, 石田 秀行, SGHGCSグループ
    2019 年19 巻1 号 p. 15-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    遺伝性の消化管腫瘍症候群は,相互に表現型(大腸や他臓器での腫瘍の発生,ポリープの分布形式や組織型)が複雑に重複し,臨床所見や家族歴からのみでは臨床的診断そのものが困難な場合がしばしば認められる.このような問題を解決するために,我々は2013年に次世代シーケンシング技術を用いた遺伝子解析による遺伝性消化管腫瘍症候群の診断法確立に関する研究グループ(SGHGCS)を立ち上げ,活動を行ってきた.これまでの我々の活動について国内外の状況と併せて紹介すると共に,家族性腫瘍学会に関連する他の研究グループとの協力関係構築の可能性について,2019年度に本格化するがんゲノム医療を想定し,現在のゲノム医療が抱える問題点についても触れながら,期待する将来像を述べる.
  • 熊本 忠史
    2019 年19 巻1 号 p. 19-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究班は小児がん/遺伝性腫瘍のエキスパート,ガイドライン作成のエキスパート,遺伝カウンセラー,倫理学者,疫学者,がんの子どもを守る会会員など,40名を超える研究分担者/研究協力者から構成されている.小児期にがんを発症するLi-Fraumeni症候群などの遺伝性腫瘍の診療ガイドラインの作成,遺伝カウンセリングの整備を目的とする.関連文献のシステマティックレビューを行い,詳細なエビデンスに基づいて,ガイドラインを作成し,遺伝カウンセリングを整備する.また,2016年American Association for Cancer ResearchのChildhood Cancer Predisposition Workshopで策定され, 2017年Clinical Cancer Research誌に掲載された,小児期に発症する遺伝性腫瘍の推奨サーベイランス法の要約を作成し公表する.
  • 古屋 充子
    2019 年19 巻1 号 p. 24-27
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群は皮膚fibrofolliculoma,腎腫瘍,多発性肺嚢胞を三主徴とする常染色体優性遺伝性疾患である.2002年にNickersonらによって同定された責任遺伝子は17p11.2に座し,folliculin(FLCN)と命名された.殆ど全ての有病者に胸部CTで多発性肺嚢胞が認められる.欧米人ではfibrofolliculomaが高頻度に認められるが,日本人では軽微なことが多い.生命予後を左右するのは多発性腎腫瘍で,中高年では3人に1人の頻度である.BHD症候群の国際的診断基準は確定していないが,FLCN生殖細胞系列変異はサンガーシークエンス法で9割程度同定できるため,遺伝学的検査によって確定することが主流である.BHD症候群診療情報ネット(https://www.bhd-net.jp/)は,診療や交流会等の情報発信を通じて医療関係者の診療相談に対応するとともに,患者家族支援を行っている.
  • 平林 真介, 真部 淳
    2019 年19 巻1 号 p. 28-31
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    2018年に開催された第24回日本家族性腫瘍学会学術集会では「遺伝性腫瘍研究グループセッション:研究者間,研究者と臨床家の間の連携を考える」と題して特別シンポジウムが行われた.その際に取り上げた小児がん,小児における家族性腫瘍について紹介するとともに,日本小児がん研究グループ(JCCG)/小児血液・がん学会(JSPHO)/がん領域における臨床ゲノム情報データストレージの整備に関する研究(堀部班)で議論されている内容を踏まえ提示する.
  • 中村 清吾, 新井 正美, 櫻井 晃洋, 吉田 玲子
    2019 年19 巻1 号 p. 32-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 矢尾 正祐
    2019 年19 巻1 号 p. 36-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 内野 眞也, 櫻井 晃洋, 鈴木 眞一, 今井 常夫, 小杉 眞司, 岡本 高宏
    2019 年19 巻1 号 p. 40-44
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    多発性内分泌腫瘍症(Multiple endocrine neoplasia; MEN)は全身の内分泌臓器に多発性に腫瘍を発生する遺伝性疾患であり,臨床的に1型(MEN1)と2型(MEN2)に分けられる.MEN1は,原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺過形成),膵胃十二指腸神経内分泌腫瘍,下垂体腫瘍,副腎皮質過形成,胸腺神経内分泌腫瘍などを発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子は染色体11q13上に位置する MEN1遺伝子である.また多発性内分泌腺腫瘍症2型(MEN2)は,甲状腺髄様癌,褐色細胞腫,原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺過形成)を発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子は染色体10q11.2上に位置する RET遺伝子である.いずれも約3〜4万人に1人の割合で発症する稀少疾患であるため,国内での現状把握が十分なされていない状況であった.そこで筆者らは2008年にMENコンソーシアムを設立した.MENコンソーシアムの活動目的としては,データベースの構築,実態調査,診療指針の作成,診断・治療法の向上,患者・家族の支援,啓蒙活動などである.実績として,症例データの収集と解析,診断のフローチャート作成,重症度分類の作成,遺伝学的検査の受託,遺伝学的検査の先進医療・保険収載への推進,ホームページからの発信,診療ガイドブックの刊行,患者手帳の作成,患者会のサポート,MENに関する市民公開講座の開催などである.このような活動を続けていくためには,MENを熱心に診療する医師のネットワークを維持していくことが重要であり,なおかつ継続的な経済的基盤も必要となる.
  • 箕輪 真理
    2019 年19 巻1 号 p. 45-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の解析技術の発達に伴い,研究現場から産出されるヒト試料由来のオミクスデータが爆発的に増えている.しかし,日本においては機微性の高い個人毎のデータを共有するための公的リポジトリがなかったことから,バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)では,「NBDCヒトデータベース」(https://humandbs.biosciencedbc.jp/)を構築し,2013年10月に運用を開始した.これまでNBDCヒトデータベースに登録されたゲノムデータ約18万人分から得られたヒトゲノムのリファレンス配列との違い(バリアント)の情報や,国内外の研究プロジェクトから公開されているバリアント情報,国内外の様々なデータベースから公開されているバリアントの解釈に関する情報などを集約してワンストップ検索を可能にした,日本人ゲノム多様性統合データベース「TogoVar」(https://togovar.org)を,ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)と共同で構築し,2018年6月に公開した. 本稿ではこれらのサービスの概要を紹介する.
編集後記
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