家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集(解説):研究者間,研究者−医療者間のリンケージ
MENコンソーシアム
内野 眞也櫻井 晃洋鈴木 眞一今井 常夫小杉 眞司岡本 高宏
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 19 巻 1 号 p. 40-44

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抄録
多発性内分泌腫瘍症(Multiple endocrine neoplasia; MEN)は全身の内分泌臓器に多発性に腫瘍を発生する遺伝性疾患であり,臨床的に1型(MEN1)と2型(MEN2)に分けられる.MEN1は,原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺過形成),膵胃十二指腸神経内分泌腫瘍,下垂体腫瘍,副腎皮質過形成,胸腺神経内分泌腫瘍などを発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子は染色体11q13上に位置する MEN1遺伝子である.また多発性内分泌腺腫瘍症2型(MEN2)は,甲状腺髄様癌,褐色細胞腫,原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺過形成)を発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子は染色体10q11.2上に位置する RET遺伝子である.いずれも約3〜4万人に1人の割合で発症する稀少疾患であるため,国内での現状把握が十分なされていない状況であった.そこで筆者らは2008年にMENコンソーシアムを設立した.MENコンソーシアムの活動目的としては,データベースの構築,実態調査,診療指針の作成,診断・治療法の向上,患者・家族の支援,啓蒙活動などである.実績として,症例データの収集と解析,診断のフローチャート作成,重症度分類の作成,遺伝学的検査の受託,遺伝学的検査の先進医療・保険収載への推進,ホームページからの発信,診療ガイドブックの刊行,患者手帳の作成,患者会のサポート,MENに関する市民公開講座の開催などである.このような活動を続けていくためには,MENを熱心に診療する医師のネットワークを維持していくことが重要であり,なおかつ継続的な経済的基盤も必要となる.
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© 2019 The Japanese Society for Familial Tumors
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