家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
総説
リンパ脈管筋腫症
瀬山 邦明佐藤 輝彦井上 恵美樋野 興夫
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 4 巻 1 号 p. 18-24

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抄録
リンパ脈管筋腫症(LAM)は,通常,若年女性にみられる稀な嚢胞性肺疾患であり,従来は病理形態学的検討から過誤腫性肺疾患と考えられてきた.しかし,最近の研究により,病態の主たる原因であるLAM 細胞は癌抑制遺伝子であるTSC 遺伝子変異により形質転換した腫瘍細胞であり,癌といえるほどの形態学的異常を認めないにもかかわらず遊走・転移して病巣を形成することが明らかとなった.従来は単なる稀少疾患の一つ程度の認識であったが,脳死肺移植の開始とともにその重要性が認識され,特定疾患対策事業の対象疾患として取り上げられ,本邦での実態調査も今年度から開始された.また,本年4 月には患者会(J-LAM の会)も発足し,患者間での交流・情報交換の場となっている.
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© 2004 The Japanese Society for Familial Tumors
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