家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集 : 家族性腫瘍の人々への支援をさぐる
レジストラーの立場から
首藤 茂 内野 眞也野口 志郎
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 5 巻 1 号 p. 18-21

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抄録
当院では1922 年の創立以来,甲状腺・副甲状腺疾患の治療と研究にあたっており,家族性疾患家系の調査・登録によって,患者の血縁者に同様の疾患が特に多くみられる傾向があることがわかった.そこで,専門職としてレジストラーをおいて家族性疾患の臨床と研究に力を入れることとなった.一般にレジストラーとは,家族性疾患に携わるスタッフの中で調査や登録の担当者を指すものである.当院でのレジストラーの主な役割は,当該患者に関する重要な家系情報を拾い出し,対象となりうる患者に対し家系の詳細な聴取からフォローアップに至るまで広範囲である.その過程の中で,患者よりレジストラーに対して様々な質問・不安や相談等への対応を行っており,こういったストレスを受けとめることにより,患者の診療や遺伝カウンセリングなどの次の段階に良い影響を及ぼすようにすることも重要な責務となっている.また,昨今世間で問題となっている遺伝情報の管理・保護,情報漏洩防止,匿名化作業の実施等,遺伝子検査の倫理問題に対する対応を医師・レジストラーと共同して行っていくことによりしっかりと管理・運営できると考えている.これらレジストラーの役割・必要性について報告する.
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© 2005 The Japanese Society for Familial Tumors
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