家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集:「症例報告」はどうあるべきか −日本家族性腫瘍学会としての規定の検討−
法学の立場からみた家族性腫瘍研究における症例報告と個人情報保護
横野 恵
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 8 巻 1 号 p. 18-21

詳細
抄録
家族性腫瘍研究における症例報告のあり方について,①患者(および患者の血縁者等)の個人情報保護,および②学術研究における倫理性の確保,という二つの観点から検討した.個人情報保護に関する本邦の公的ルールの下では,匿名化の処理を行えば,本人の同意を得ずに症例報告を行うことが許容される.しかしながら,研究の倫理性の確保という観点からは,同意取得を回避する手段としての匿名化は望ましくない.症例報告に当たっては,原則として本人の同意を取得する必要があり,その上で患者のプライヴァシーを保護するための配慮として匿名化の措置が行われるべきである.
著者関連情報
© 2008 The Japanese Society for Familial Tumors
前の記事 次の記事
feedback
Top