家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
8 巻, 1 号
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特集:「症例報告」はどうあるべきか −日本家族性腫瘍学会としての規定の検討−
総説
  • 松林 宏行, 小野 裕之, 福冨 晃, Michael Goggins
    2008 年8 巻1 号 p. 24-28
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/12/05
    ジャーナル オープンアクセス
    欧米では第一度近親者に2 人以上の膵癌患者を有する例を「家族性膵癌」と分類している.家族性膵癌は全膵癌の5 〜10 %を占め,家系内に膵癌例が多いほど膵癌発生の期待値が高いこと,民族性がみられること,発症年齢が若年化傾向を示していることなど,他の家族性腫瘍と共通の特徴を有する.主要な責任遺伝子はまだ明らかではない.欧米では1990 年代から家族性膵癌の登録機構が設立され,膵癌家系や遺伝性症候群などハイリスク群の経過観察による膵癌早期発見の試みが始まっている.「家族性膵癌」は日本国内ではまだ認知されていないが,医療レベルが高く検診システムが発達した日本でこそ,このようなシステムの導入が期待される.
解説
  • 村上 好恵
    2008 年8 巻1 号 p. 29-32
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/12/05
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の分子遺伝学の発展により,遺伝性腫瘍の存在が知られるようになり,遺伝子診断も試みられるようになってきた.通常の診療場面とは違い,遺伝性腫瘍の家系の可能性が高い患者や家族に対して説明を行う際には,遺伝に関する情報を伝えながら対象者の心理的な反応も把握し対応するという,高度なコミュニケーションスキルが必要である.そこで,がんの診断や再発の告知場面や遺伝子検査結果の開示の場面などのbad news を伝える際のadvancelevel のスキルとして開発されたSPIKES を紹介する.現在は,がん医療におけるコミュニケーションに関する研究結果を参考にしているが,これからは遺伝カウンセリングにおけるコミュニケーションスキルのあり方を模索していく必要がある.
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