農作業研究
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研究論文
圃場調査における小型空撮気球の有用性 —水田転換コムギ圃場での事例—
村上 敏文森 正彦小柳 敦史菱沼 英昌
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2012 年 47 巻 2 号 p. 67-74

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抄録
近年のデジタルカメラの軽量化により,小型気球による空撮が可能になってきた.しかし,わが国では研究例が少なく,コムギ畑で問題となっている生育不良を調査した例もほとんど見あたらない.そこで,大規模農業法人の水田転換コムギ畑の調査に空撮を導入し,画像解析の方法を検討して,空撮が圃場調査やデータ解析に有用かどうかを検証した.空撮画像は,小型のヘリウムガス気球(全長 1.8 m, 体積0.64 m3)にコンパクトデジタルカメラを吊り下げて撮影した.地上調査では土壌の体積含水率,葉色,草丈,子実収量等を測定した.画像処理では,一般の画像ソフトを用い,地形の歪み補正,植被率の計算,湿った土壌の分布の把握を行った.高度約 180 mからの俯瞰画像は,広域のコムギ圃場の生育比較を可能にしたので,地上調査を行う圃場を効率的に選定できた.高度 117 mからの真下方向の画像は,地上調査での調査位置の選定や全体見通しの把握を容易にした.また,植被率による圃場の区分けを可能にし,生育不良の要因解析を容易にした.生育不良は,土壌水分が高く,土壌が硬く,相対標高が低い条件で引き起こされた.また,空撮画像の土壌の色の濃さから排水対策の効果を判定することができた.以上より,簡易空撮気球は,圃場調査やデータ解析の精度を高める有用なツールであることが示された.
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© 2012 日本農作業学会
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