農作業研究
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研究報文
短節間カボチャ ‘TC2A’ の水田転換畑での栽培における窒素施肥量および施肥回数の検討
杉戸 智子辻 博之村上 則幸杉山 慶太嘉見 大助建部 雅子信濃 卓郎
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2014 年 49 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

短節間カボチャ ‘TC2A’ の栽培における窒素施肥量と施肥回数(1回の全量基肥もしくは基肥と雄花開花前の2回に分けての分施)について,北海道の水田転換畑での栽培を対象に生育,果実収量および品質の面から解析した.牛ふん麦わら堆肥 1 t/10a を施用した淡色黒ボク土の転換初年度の畑での栽培において,窒素施肥量が 8 kg/10a までは窒素施肥量が多くなるほど果実収量が高くなり,果実乾物率やデンプン含量が高くなることにより果実品質が向上する傾向を示した.窒素施肥量を 12 kg/10a としても果実収量や品質の向上は認められなかった.また,窒素施肥量が 8 kg/ 10a であっても,基肥 4 kg/10a と追肥 4 kg/10a の 2回に分施することで,基肥のみで施肥した場合と比較して,収穫時の茎葉の生体重が増加し,日焼け・腐敗果率が有意に低くなった.以上より,北海道の転換初年目の水田転換畑において,牛ふん堆肥 1 t/10a を施用した淡色黒ボク土での短節間カボチャ ‘TC2A’ 栽培では,窒素 8 kg/10a を上記のように分施することが適していると判断した.

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© 2014 日本農作業学会
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