抄録
キウイフルーツの CPPU 処理について,倍数性や収穫時期の異なるA. chinensisで6品種,A. deliciosa で5品種を対象とし,その効果の違いについて検証した.収穫期の前進効果が期待できたのは,A. chinensisの ‘レインボーレッド’ および ‘小林 39号’ の 2品種で,他の品種では効果は期待できなかった.果実肥大に関しては,5 ppm 処理で全ての品種で効果がみられた.果皮色の変化,果実の扁平化,縦筋の発生,果頂部の異状肥大,凹凸果の発生,落果については品種による差がみられた.本研究の結果から,二倍体と四倍体中心の A. chinensis と六倍体中心の A. deliciosa の間で,処理効果の傾向は判然としなかったものの,品種間による差は明らかであった.このため,キウイフルーツにおける CPPU 処理においては,品種により適用条件について詳細に検討する必要があると考えられた.