農作業研究
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研究報文
スィートソルガム栽培の有無と残渣の施用方法がウコン根茎の収量とクルクミン濃度におよぼす影響
浅木 直美窪田 俊仁坂上 伸生岡田 拓也長谷川 守文磯野 健雄新田 洋司
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2018 年 53 巻 3 号 p. 149-157

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抄録

スィートソルガム(以下,SSとする)栽培とSS地上部残渣の利用がウコンの生育,収量,クルクミン含有率におよぼす影響を明らかにすることを目的とした.前年に圃場でSSを栽培(SS栽培区)および栽培しなかった(SS無栽培区)土壌をそれぞれ1/5000 aワグナーポットに充填した.「SS栽培区土壌」と「SS無栽培区土壌」それぞれに無処理区,化学肥料区,SS地上部残渣を土壌と混和したすきこみ区と土壌表面に施用したマルチ区の4処理区を設けた.無処理区以外の処理区に化学肥料(N:P2O5:K2O=14:11:13 g/m2)を施用した.ガラス室でウコンの根茎を2017年6月2日にポット当たり1個(20 g)ずつ植付け,同年12月6日にウコンの地上部と根茎を収穫した.ウコン植付け前の「SS栽培区土壌」の交換性カリ濃度は,「SS無栽培区土壌」に比べて有意に高かった.ウコン生育初期の土壌含水率はマルチ区で高かった.収穫時ウコンの根茎乾物重とクルクミン含有量は「SS栽培区土壌」で「SS無栽培区土壌」に比べて高い傾向であり,マルチ区で多かった.よって,SS栽培は土壌交換性カリ濃度を増加させ,SS残渣マルチは土壌の保水性を高めることでウコンの収量やクルクミン含有量を向上させる可能性が示唆された.

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© 2018 日本農作業学会
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