2019 年 54 巻 4 号 p. 237-247
乗用管理機搭載型ブームスプレーヤの3つの要素技術(HPS,ロールダンパ,高剛性スライドブーム)からなるブーム変位低減装置を開発し,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤに搭載した.2つの試験(ブーム制振効果試験,付着試験)を行い,以下の結果を得た.ブーム制振効果試験において,開発機は対照機(高剛性スライドブームのみ搭載)に対して,ブームの垂直変位が全振幅において約63%低減した.付着試験において,開発機は対照機の通常作業の約2倍(1.0 m/s)の高速作業を行った場合でも,付着程度は概ね同等であった.このことから,3つの要素技術からなるブーム変位低減装置を用いることで,ブームの垂直変位が低減し,付着程度を維持したと考えられる.このことから,開発機の高速走行による実作業への適応性が明らかとなった.