雑草と線虫を抑制するための機械中耕を伴う線虫抑制性飼料作物パリセードグラスの条播栽培の一連の圃場試験を実施した.地域の畜産農家による地上部の飼料としての利用のみならず,耕種農家による輪作の中で線虫抑制のための利用の視点を持ちながら, 中耕を伴ういくつかの条間条件下のパリセードグラスの条播栽培の試験をめざした.圃場試験1では条間60,80,100 cmの条件で条播栽培を行い,3つの条間条件の間に収量の有意な差は見られなかった.圃場試験2と圃場試験3では条間は80と120 cmに設定し,圃場試験2では土壌中の植物寄生性線虫密度が十分に低く抑制された.圃場試験3では3カ月間栽培した時の条間80と120 cmの処理区の間の収量の有意な差はなかった。圃場試験4では条間120 cmの条播栽培と散播栽培を比較し,条播栽培区の収量は散播栽培区よりも高くなる傾向があった.雑草乾物重は,条播栽培区の2回の中耕後から播種後127日目にかけて,散播栽培区で条播栽培区よりも高かった.圃場試験5では農業生産者の圃場で条間120 cmの条播栽培を行い,収量調査時のネコブセンチュウ密度が明瞭に抑制された.以上の結果から,パリセードグラスを飼料生産のため,加えて線虫抑制作物としても利用する際には,条間120 cmの広条播種栽培は実用的な選択肢の一つであると結論付けた.