農作業研究
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研究論文
加圧熱水処理を用いたヒマワリ茎からの植物養分の抽出
櫻井 俊輔帖佐 直本林 隆東城 清秀
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2021 年 56 巻 4 号 p. 245-254

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抄録

作物非可食部であるヒマワリ茎に蓄積された植物養分の抽出方法と利用可能量を検討するため,栽植密度を変えて採油用ヒマワリを栽培し,開花期,登熟期及び収穫期にヒマワリの茎を採取し,形質の異なる供試材料を得た.単位面積当たりのヒマワリ茎の乾物収量は,栽植密度が高いほど多かった.ヒマワリ茎に蓄積された単位質量当たりの植物養分の元素は,開花期から収穫期までに,炭素は少し減少し,窒素とリンはわずかに減少し,カリウムはほとんど変化がなく,カルシウムはわずかに増加した.加圧熱水処理によって液分として抽出できる植物養分の溶出率は元素によって異なり,180℃で40分処理の溶出率は,カリウム0.90~0.95,マグネシウム0.84~0.94,窒素0.78~0.85,リン0.58~0.82,カルシウム0.31~0.64,炭素0.32~0.40であった.材料中の植物養分のN,P,K,Ca,Mgの総元素量を窒素量で除したNut/N比とC/N比とは強い線形の関係があり,溶出した養分元素についても同様の関係が認められた.加圧熱水処理の処理温度を高くすると比較的溶出率の低い炭素,カルシウムの溶出率は温度に比例して増大したが,逆にリンは大きく低下した.処理の保持時間が植物養分元素の溶出に及ぼす影響はいずれの元素についても小さかった.

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© 2021 日本農作業学会
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