農作業研究
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研究論文
太陽光利用型植物工場の作業負担と作業速度に及ぼす暑熱環境の影響
磯山 陽介北村 八祥松岡 敏生平生 祐一郎大西 範和
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2022 年 57 巻 1 号 p. 3-11

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抄録

太陽光利用型植物工場の労働安全衛生に関わる課題の一つとして,夏期にハウス内が高温多湿化することによる暑熱リスクがある.植物工場三重実証拠点における過去の環境計測値から,暑さ指数である温室内のWBGT推定値を算出したところ, 7月から9月以外は概ね20℃から25℃であるが,夏期においては最大で35℃程度となっていた.そこで,本研究は,トマト栽培の農作業従事者である健常な成人男性3名を被験者とし,30分間の誘引作業を作業項目の中の代表例として取り上げ,暑熱環境下と,生育適温環境下における作業者の農作業負担の現状を,WBGT,心電図,鼓膜温,代謝量を指標として評価した.さらに暑熱環境と作業速度の関係を分析した.その結果,暑熱環境下作業時のWBGTは,ISO7243における安静代謝率基準以上の34.3±0.5℃であり,生育適温下作業時は,21.9±1.5℃であった.いずれの環境条件下でも心拍数は,作業により上昇し休憩により低下したが,暑熱環境下ではその上昇程度が大きく,休憩によって安静時のレベルまで低下しなかった.また,暑熱環境下の作業負担は,エネルギー消費量は大きくないにもかかわらず,心拍数増加率では強労働から重労働に,%HRRでは強労働に分類され,さらに,作業速度も低下することが明らかとなった.これらのことから,作業者個人の体力や,作業負担を評価したうえで,暑熱環境を考慮した対策技術の導入を含め,作業体系や作業計画の検討を進める必要があると示唆された.

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© 2022 日本農作業学会
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