農作業研究
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九州南部地域における2毛作体系と輪作体系が単作体系と比較してタマネギ球収量に及ぼす影響
安達 克樹鈴木 崇之小林 透石井 孝典
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2022 年 57 巻 2 号 p. 91-106

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抄録

ソルガム―タマネギ2毛作体系とサツマイモ―タマネギ―ソルガム―タマネギ輪作体系におけるタマネギ収量を,タマネギ単作体系と比較して評価するために,九州南部地域における3年間の圃場試験を4回(2毛作体系2回と輪作体系2回)実施した.この研究により,4回の圃場試験の全てにおいて,1作目のタマネギ球収量は2毛作区および輪作区において単作区よりも約20%高いことが示された.しかしながら,それぞれの作付体系をタマネギ2作目そして3作目へと継続すると,単作体系に比べて2毛作体系および輪作体系による球収量を高める効果は消失した.このタマネギ2作目および3作目において増収効果が消失する理由は明らかではなかった.従って,南九州地域における2毛作体系と輪作体系がタマネギの生育と収量に及ぼす影響を明らかにするためには,菌根菌感染率および土壌養分状態の経時的な調査を伴う更なる試験が求められる.

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© 2022 日本農作業学会
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