農作業研究
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研究論文
露地夏秋どりミニトマトのネット誘引無整枝栽培(ソバージュ栽培)における生分解性ネットの利用に関する基礎的研究
島津 美沙山本 ゆき鈴木 玲美村上 周一郎元木 悟
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2023 年 58 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

ミニトマトは,需要が増えているものの,栽培では,作業量が大玉トマトに比べて多く,省力化が求められている.近年,省力栽培が可能な露地夏秋どりミニトマトのネット誘引無整枝栽培(ソバージュ栽培)が開発され,全国に普及しつつある.ソバージュ栽培は,慣行に比べて収穫以外の作業時間の短縮や低コスト化などが見込めるものの,栽培終了後にネットから植物体(残渣)をはがす作業は重労働であり,多大な時間を要する.生分解性ネットは,土壌に埋設すると,有機物として植物体とともに分解されるため,植物体と分離して処分する手間が省けることから,作業効率の向上が期待できる.そこで本研究では,生分解性ネットを用いたときのソバージュ栽培における解体作業を作業時間とアクションカテゴリーから評価するとともに,生分解性ネットの特性を調べることにより有用性を評価した.その結果,生分解性ネットを用いることにより,ソバージュ栽培の解体作業時間を短縮することができた.生分解性ネットは,植物体とともに埋設処分することが可能であるため,生分解性ネットをソバージュ栽培へ取り入れることにより,解体作業の省力および軽作業化にもつながることが示された.

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© 2023 日本農作業学会
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