農作業研究
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自律走行トラクタの視覚部に関する研究
画像処理による圃場状態の認識
長谷川 英夫瀧川 具弘小池 正之余田 章坂井 直樹
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2000 年 35 巻 3 号 p. 141-147

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抄録

本報では,自律走行トラクタの視覚部に関する研究の一環として,プラウ耕を施用した供試圃場をデジタルビデオカメラで撮影し,その24bitカラー動画像から耕うん部と未耕うん部をリアルタイムに識別する画像処理プログラムを開発した.まず,動画像を用いた識別を行う前に,供試設定パラメータを検証する目的で実施した静止画像による解析において,境界領域は極めて明確に識別することが可能となり,開発したアルゴリズム及び設定パラメータの有効性が明らかとなった.静止画像の処理時間を計測したところ,画像1枚当たり約0.1秒で処理することができた.一方,動画像による解析では,これまで識別が困難であるとされてきた曇天時の画像に対してもアルゴリズムに採用した領域成長を用いることにより,明確な識別が可能となった.晴天時及び曇天時の識別結果を比較すると,最大で約8cmの差異が生じた.しかし,後車輪片側のタイヤ幅40cmの供試トラクタが,プラウ耕によって生じた幅約40cmのれき溝に片輪を落として作業することを考慮すると,得られた識別結果は,作業精度の観点からも大きな支障はないと考えられた.また,動画像の処理時間を計測したところ,動画像1フレーム当たり約0.2秒という高速な動画像処理プログラムを開発することができた.さらに,開発した画像処理プログラムの識別精度をより一層向上する方策と処理時間の短縮を図る方法について,走行制御部との関連において言及した.

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