老年歯科医学
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調査報告
高齢者歯科医療を含む二次歯科診療担当者を対象とした BLS(一次救命処置)講習での受講者とインストラクターの意識の相違,受講者の講習会評価
片山 正昭中島 丘長坂 浩渡辺 真人吉岡 亜希子薮内 貴章鶴重 良太浅野 倉栄三宅 一徳山本 真樹岡田 春夫礒部 博行岩崎 妙子佐藤 ひろみ東澤 雪子鈴木 聡行
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2013 年 27 巻 4 号 p. 405-413

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抄録

藤沢市歯科医師会が開設する高齢者歯科医療を含む二次歯科診療担当者 30 名(受講者),指導にあたったインストラクター 17 名を対象に,救命処置講習に係る意識の相違,受講者の講習会評価を検討した。 両者間で,必要とする救命処置の程度(一次・二次救命処置)について,有意な相違は認められなかった(p=0.28)。一次救命講習を受講すべき頻度は,受講者では,「半年に1回5 名(16.7%)」,「年に1回17名(56.7%)」を合わせても 22 名(73.4%)であったが,インストラクターは「半年に 1 回が 14 名(82.4%)」と高く,意識の相違が有意に認められた(p<0.01)。 一次救命講習前の事前学習会の必要の有無について,「必要」との回答は,受講者が 6 名(20.0%)であったが,インストラクターは 15 名(88.2%)と高く,有意な相違が認められた(p<0.01)。 受講者の講習会全般の総合評価(満足度)は,評価の高い順に,評価 5:19 名(63.3 %),評価 4:3 名(10.0%),評価 3:6 名(20.0%),評価 2,評価 1:0 名(0%)であった。自由記載では,定期的,継続的な開催を望む記載が散見された。 以上から,一次救命講習を受講すべき頻度や講習前の事前学習会の必要の有無について,受講者とインストラクターとの意識の相違が有意に認められ,受講者の救命処置講習への取り組みや意識などは十分ではなかった。

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© 2013 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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