老年歯科医学
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調査報告
高齢期の地域住民における構音機能と誤嚥リスクとの関連性
原 修一三浦 宏子川西 克弥豊下 祥史越野 寿
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2015 年 30 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
構音ならびに摂食嚥下機能は,ともに口腔と密接な関連性を有する生活機能であるが,高齢期の地域住民における両者の直接的な関連性については,知見の集積が少ない。本研究では,自立高齢者における構音機能と誤嚥リスクとの関連性について調べた。 対象者は,宮崎県北部地域と北海道後志地域に居住する自立高齢者 266 名である。構音機能の評価には,オーラルディアドコキネシスを用い,誤嚥リスクの評価には地域高齢者誤嚥リスク評価スコア(DRACE)を用いた。 本研究の全被験者における 4 種のオーラルディアドコキネシススコアと DRACE スコアとの間には,いずれにおいても有意な関連性が認められた。交絡要因を除外するためにステップワイズ重回帰分析を行ったところ,DRACE スコアと最も関連性が高かった項目は,複合音節/pataka/のオーラルディアドコキネシスであった。 自立高齢者においては,複合音節/pataka/のディアドコキネシス回数の減少は,誤嚥リスクの増大と有意な関連性がある。
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© 2015 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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