老年歯科医学
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調査報告
回帰式を用いて抽出されたサルコペニア疑いのある高齢者の口腔機能調査
豊下 祥史佐々木 みづほ菅 悠希川西 克弥原 修一三浦 宏子越野 寿
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2020 年 35 巻 2 号 p. 166-175

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抄録

 サルコペニアは筋肉の量と機能の低下を認め,その進行により身体機能障害をもたらす。サルコペニアと口腔機能には関連があることが報告されており,歯科医師による保健指導はサルコペニアの予防や改善に有効であると考えられる。本調査では回帰式による簡易的な方法でサルコペニアが疑われる自立高齢者を抽出し,当該高齢者の咀嚼機能の改善や食事指導の必要性について検討した。

 117名の自立高齢者を対象として分析を行った。握力測定およびBMI,年齢,下腿周囲長,身長から回帰式を用いてサルコペニアのリスクがある高齢者を抽出した。これらの高齢者の咀嚼機能,最大咬合力,オーラルディアドコキネシス測定および義歯の評価を行った。

 調査対象者のうち,約5%の高齢者にサルコペニアの可能性が認められた。これらの高齢者には咀嚼機能の低下,義歯の不具合や栄養の偏りを疑う結果が認められ,適切な義歯の調整や栄養指導が必要と考えられた。歯科保健指導の際には咀嚼機能の評価や義歯のチェックに加え,実際に何を食べているかを含めた栄養指導が必要と考えられる。

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© 2020 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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