2026 年 40 巻 3 号 p. 178-182
緒言:本研究は,代表的な口腔機能である構音・摂食嚥下に関する主訴で来院した高齢患者の初診時点での原因疾患を調べ,不明であった症例においては各専門科を紹介することで原因疾患の探求を行った。
方法:対象は,2017~2023年に,構音・摂食嚥下に関する症状を主訴として当部を初診した高齢者286名とした。診療録より,①紹介元医療機関,②初診時に診断されていた原因疾患,③初診時では不明であったが診療経過中に明らかになった原因疾患を調査した。
結果と考察:初診時に原因疾患が不明の患者は143名と半数を占めた。そのうち異常なしは36名,機能障害・低下を認めたが原因疾患が不明であった患者は44名であった。また,機能障害を認め,専門診療科への紹介で原因が判明した患者は63名で,神経変性疾患や消化器疾患が多かった。
結論:構音・摂食嚥下に関する症状の原因が不明であっても,歯科受診を通して全身疾患が発見されることがあるため,原因の探索や医科との連携が重要であると考えられた。