老年歯科医学
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認定医審査症例レポート
口腔機能低下症の高度顎堤吸収患者に義歯製作と機能訓練を行ったことで食事意欲向上と全身状態が改善した症例
栗谷川 輝, 河相 安彦, 五十嵐 憲太郎
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2026 年 41 巻 supplement 号 p. 41-45

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抄録

 緒言:高度顎堤吸収に伴う総義歯の維持不良と咬合不調和に起因する安定の不良による咀嚼障害と口腔機能低下症を有する患者に補綴的介入,機能訓練および食習慣指導を包括的に実施した。その結果,口腔機能と栄養状態の改善を認めたので報告する。

 症例:82歳,女性。最近食べ物が食べづらいとの主訴で来院した。既往歴は高血圧,腰椎変性すべり症。下顎顎堤は高度に吸収し,装着していた総義歯は内面に適合不良の軟質リライン材が裏装され,人工歯の咬耗は顕著であった。口腔機能精密検査より舌口唇運動,舌圧,咀嚼機能,咬合力は基準値より低値を認め,口腔機能低下症と診断した。栄養指標はMNA®-SF:10点,BMI:20.5。日常生活動作はADL(Barthel Index):100点であった。

 経過:義歯を新製し,その後ダイナミック印象を行い,間接法で軟質リラインを実施した。なお,診療時は腰椎変性すべり症に配慮しファーラー位で行った。義歯製作と並行してペコぱんだを用いた舌圧訓練と食品摂取多様性スコア(DVS)を用いた食指導を実施した。軟質リラインを行った新義歯では,口腔機能精密検査において舌口唇運動機能,咀嚼機能,咬合力,舌圧が改善し,MNA®-SF:12点,BMI:23.1,DVS:5点から7点に改善した。

 考察:適切な補綴処置に加え,機能訓練と食指導を包括的に行った結果,口腔および全身状態の改善に寄与したと考えられる。

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