老年歯科医学
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咬合支持の喪失が中枢コリン作動性ニューロンに及ぼす影響
高週齢ラットを用いた免疫組織化学的, 生化学的検討
寺澤 秀朗
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1999 年 13 巻 3 号 p. 166-174

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抄録
咬合・咀嚼機能の低下が高週齢ラットの中枢神経系に及ぼす影響を検討するために, 学習能力の低下や老年痴呆に関与しているコリン作動性ニューロンに関して, 免疫組織化学的ならびに生化学的技法により, choline acetyltransferase (ChAT) 陽性ニューロン数とacetylcholine (ACh) 濃度を測定した。
得られた結果は以下の通りである。
1. 光線顕微鏡により, 対角帯核・中隔核, 線条体, 前交連, 側脳室, 大脳皮質を確認し, 染色されたChAT陽性ニューロンを対角帯核・中隔核に多く認めた。
2. 対角帯核・中隔核におけるChAT陽性ニューロン数は, 対照群に比して臼歯切除群では, 有意な減少が認められた (p<0.01) 。
3. 海馬におけるACh濃度は, 対照群に比して臼歯切除群では, 有意な低下が認められた (p<0.05) 。
本研究結果から, 咬合支持の喪失と咀嚼機能の低下が中枢神経系への求心性情報を障害し, コリン作動性ニューロンを脱落させ, さらに, ACh合成能を低下させることが示唆された。すなわち, 咬合支持の確保は, コリン作動性ニューロンの脱落を保全する可能性が示された。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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