抄録
自立した日常生活を送っている高齢者について口腔内実態調査を行い, 口腔内状況と咀嚼能力に対する満足度との関連性を検討した。
調査対象者425名中 (男性102名, 女性323名, 平均年齢77.6歳), 義歯使用者は345名で全体の81.2%であった。義歯の使用状況は, 上下顎全部床義歯装着者29.6%, 片顎全部床義歯装着者14.8%, 上下顎部分床義歯装着者21.2%, 片顎部分床義歯装着者12.2%, 義歯不必要者13.9%, 義歯不使用者4.5%, 義歯不製作者3.8%であった。満足度については, 「満足している」が47.3%, 「まあまあ満足している」が22.4%, 「満足していない」が37.5%であった。
また, 満足度は, “現在歯数”, “義歯の装着状況”, “新義歯製作希望の有無” と統計学的に有意な関連性が認められた (P<0.01) 。しかし, “年齢および性別”, 義歯使用者群における “使用義歯の種類”, “義歯床の種類”, “人工歯の種類”, “義歯の使用年数” のいずれの調査項目も満足度との関連性は認められなかった。
本研究の結果, 20歯以上の歯を残存させることだけでなく, 義歯が必要であると思われる高齢者においては, 義歯を装着することにより口腔機能を回復することが満足度を高めるために重要であることが示唆された。