抄録
我が国は他に類を見ない速度で高齢化が進んでいる。1999年現在, 65歳以上の高齢者人口は, 全人口の17.2%であるが, 2025年には27.4%, 2050年には32.3%となることが推計されている。高齢者が増加すれば, それに伴って, 要介護者の数も増加する。
このような, 我々が今まで直面したことがない状況に対して, EBM (Evidence Based Medicine) を実践するためには, その状況の把握と課題の模索が必要となる。
そこで, 我々は, 将来, 我が国が直面する超高齢化社会のモデルとして, 超高齢化地域である島根県隠岐郡五箇村における要介護者の生活状況と口腔内状況について, 身体障害老人と痴呆性老人に分けて, 分析し, その結果について考察を加えた。そして, 問題点を明確にし, その対策を検討し, 幾つかの結論を得た。