老年歯科医学
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八千代市歯科医師会における訪問歯科診療の現状
古屋 浩米田 孝信溝口 万里子中澤 正博森 宏樹佐藤 輝重粟飯原 靖司山田 真木子
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2003 年 18 巻 2 号 p. 146-148

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抄録
八千代市歯科医師会では八千代市とのタイアップのもと, 平成5年10月より訪問歯科診療を開始した。在宅歯科訪問事業以前より, 寝たきり高齢者患者の予備力低下に伴う治療上の危険性に着目し, 予診評価システムの開発に着手した。
このシステムは, 診療前の全身評価と現疾患の把握のため, 血圧を始めとして心電図所見, 心拍数, 不整脈の有無, SpO2などのモニタリング計測値, 現病歴, 合併疾患, 投薬の有無, さらに補足する意味合いからADLを参考に治療危険度を, 各々インデックス化することにより評価するものである。仏ACI社のデータベースシステム4thDimensin®をもとにコンピュータソフトウエア (在宅診療管理®) (図1) を独自に開発した。
前述のパラメータを入力することにより, 治療危険度を算出し, 対応する治療内容の指標を具体化, 効率的に予診評価を得ようとするものである。さらにこの指標化された治療危険度と対応する治療内容について予診委員会を設置し, 複数の意見をもって評価可能となっている。これまでに咬合機能の回復により寝たきり状態であった患者が日常生活が可能になったケースが見受けられることがあり, 各患者の主訴に合う治療を可及的に実施するようにしている。これを可能にするためには全身評価を含めた状態把握が必要不可欠であり, 評価システムを構築するに至った。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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