老年歯科医学
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18 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 川口 豊造
    2003 年18 巻2 号 p. 105
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
  • Linda C. Niessen
    2003 年18 巻2 号 p. 107-116
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
  • 後藤 光三, 作 誠太郎, 山本 宏治
    2003 年18 巻2 号 p. 117-128
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    当教室ではこれまで銀の抗菌性に着目し, ゾルーゲル法を用いた銀含有シリカガラス, イオン注入法を用いた銀イオン注入フィラー, および, 銀無機系抗菌剤であるYDAフィラーを応用したコンポジットレジン, ベースセメントおよび仮着セメントの抗菌性を検討し良好な成績を得てきた。このことから, 口腔環境を考えると銀を含む各種無機材料を他の歯科材料に応用することは有用であると思われる。そこで, 本検索ではYDAフィラーを義歯床下粘膜調整材であるティッシュコンディショナーに応用し, その抗菌性を検討するとともに, 臨床応用を目的とし供試材料の生物学的評価を併せ検討した。
    S.mutansおよびC.albicansの24時間後の抗菌性試験についてYDAフィラー5wt%以上の試作T-conに抗菌性が認められ, E.faecalisについても同様であった。S.oralisの付着性はYDAフィラー含有量が多くなるに従い細菌付着率は高くなる傾向にあった。一方, 細胞毒性の結果については, 含有量が多くなるに従い細胞増殖率が低くなる傾向にあった。変異原性試験に関しては, 各試作T-conにβ-ガラクトシダーゼの上昇は認められなかった。また, ハムスターの頬袋での粘膜刺激性試験の結果では, 炎症性細胞は認められなかった。ESEM所見では, YDAフィラーの含有量が多くなるに従いフィラーが顕著に観察され, その表面にYDAフィラーの成分であるP, Al, Agの存在を認めた。経時的重量変化は0-10wt%では, 材料間で顕著な差は認められなかった。また, ゴム硬度測定試験でも同様の結果を得た。経時的色調変化についてはYDAフィラー含有量が増加するに伴いT-conの明度の上昇を認めた。
    急速な高齢化を迎え, 全身疾患を有する高齢者においては義歯床下粘膜の変化が著しく, ティッシュコンディショナーの使用頻度が高い。また, 近年Calbicans等による嚥下性肺炎の発症率は高くなる傾向にある。今回試作したT-conにおいては, S.mutans, C.albicans, E.faecalisに対して抗菌性を示し, また, 生物学的評価の結果からも臨床応用が可能であることが認められることから, 高齢者を対象とした義歯床下粘膜調整材として, 今回試作したT-conの使用は臨床的に有用であると考える。
  • 貞森 紳丞, 佐藤 幸夫, 中居 伸行, 浜田 泰三
    2003 年18 巻2 号 p. 129-133
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    日本は高齢社会となり, 痴呆の問題が社会の注目を集めている。歯科においてもいろいろな方面から, 痴呆に対してアプローチがなされ, 義歯装着と痴呆との関連についても興味が持たれている。義歯を装着して食事をすることは, 日常の介護とも密接な関係があり, これからさらに検討していかなければならない問題である。しかしながら, 義歯の使用と痴呆との関連については, 未だ不明なことも多く, 相反する報告もみられる。その1つの原因として, 痴呆症状の多様性が考えられる。痴呆症状の多様さのゆえに, 報告者により若干異なった結果になっている可能性がある。アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆が痴呆患者の大部分を占めるといわれているが, アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆とで, 臨床症状が異なることは広く知られている。さらに, 痴呆の原因疾患は多くあり, しかも痴呆は進行性である。従って, 痴呆と一括りにして, 検討することに少し無理な面があるのであろう。
    本報告は, 重度痴呆高齢者の上下無歯顎の患者で, 所持していた上下顎総義歯を紛失し, 上下顎総義歯を新製し, 良好に義歯を使用している患者を追跡調査したものである。その結果, 重度の痴呆であっても, 状態によっては義歯製作, 使用, 清掃ができることがわかった。
  • (III) 無歯顎義歯装着要介護者 (カテゴリーCIII) の口腔粘膜と義歯の清掃効果
    武井 典子, 福島 正義, 福田 敬, 渋谷 耕司, 岩久 正明
    2003 年18 巻2 号 p. 134-138
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    近年, 口腔細菌が高齢者の各種全身疾患に影響を及ぼすことが明らかとなり, 口腔ケアの重要性が指摘されている。筆者らは, 高齢者の口腔ケアを自立度 (自立, 一部介助, 全介助) と口腔状態 (歯数と義歯の有無) から9つのカテゴリーに分類した「高齢者口腔ケア分類表」を作成し, それぞれに対応したオーダーメードの口腔ケア方法を考案してその効果を細菌学的手法を中心に検討を進めている。
    前報では, 多数歯を有する要介護者の口腔ケアを安全かつ効果的に行なうために, 清掃のための給水と誤嚥を避けて汚水の吸引を同時に可能にした電動ブラシシステム (給吸ブラシ) を要介護高齢者に使用を試み, その効果を細菌学的に明らかにした。さらに, 有料老人ホーム入所者の自立者と要介護者に対して, 現在行なっている口腔清掃法による口腔状態を細菌学的に評価し, その結果に基づいた個別の口腔ケア法を自立者およびヘルパーに提案し, その効果を明らかにした。
    今回は, 無歯顎で総義歯を有する要介護者の効果的な口腔ケア法を確立するために, 特別養護老人ホーム入所者で, 舌, 顎堤および義歯からカンジダ菌数が103レベルで検出された要介護者を対象に, 給吸ブラシ用の粘膜ブラシを試作し, 粘膜および義歯清掃 (物理的清掃後, 化学的清掃, 再度物理的清掃) を5日間行なった効果をカンジダ菌数の変化を指標として調査した。その結果, 調査初日では, 粘膜および義歯清掃前後で, 舌, 顎堤, および義歯ともにカンジダ菌数の減少は明らかではなかったが, 給吸ブラシ (粘膜用) による粘膜清掃および義歯清掃の併用によりカンジダ菌数の有意の減少が見られた。本清掃法の毎日の励行は無歯顎で総義歯を有する要介護者にとって効果的な口腔ケア法であることが明らかとなった。
  • 身体機能の自立度, 全身疾患, 服薬情報, 申し込み理由, 口腔内状況, 処置内容について
    中島 丘, 岡田 春夫, 遠見 治, 中島 俊明, 礒部 博行, 加藤 喜夫
    2003 年18 巻2 号 p. 139-145
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    介護老人保健施設における訪問歯科診療受診者の全身状況, 服薬情報, 口腔内状況の調査が地域歯科医師会として, 診療にあたる歯科医師, 歯科衛生士の知識と技術の向上につながると考え調査検討した。対象者を入所棟別に一般棟入所者 (59名), 痴呆棟入所者 (25名) に分類し, さらに年齢の中央値である82歳以上, 未満に分けて検討し, 以下の結果を得た。
    .1 全身疾患には対象者全員が罹患しており, 罹患数, 罹患傾向は変わらず平均3.5疾患罹患していた。種類では, 高血圧症が最も多く (54名), 脳血管疾患 (40名), 心疾患 (18名) など, 循環器系疾患が多かった。
    2. 一人平均服用薬剤数は4.3剤で年齢の上昇により増加傾向を示した。消化器系, 神経系, 循環器系に作用する薬剤の順に多かった。一般棟入所者, 痴呆棟入所者, 82歳以上, 未満で差異はなかった。
    3. 訪問歯科診療申し込み理由, 治療内容は義歯関連が多かった。
    4. 対象者全員の一人当たりの残存歯数は5.3本, 有歯顎者は58.3% (49名) で9.1本の残存歯を有していた。無歯顎者は41.7% (35名) であった。一般棟入所者4.8本, 痴呆棟入所者6.5本と一般棟入所者の方が少なかった。82歳以上で両入所者ともに残存歯数は減少した。一般棟入所者では82歳以上, 未満で有意差が認められた (P<0.05) 。上顎と下顎の残存歯数を比較すると, 一般棟, 痴呆棟入所者とも下顎残存歯が有意に (P<0.05) 多かった。
    5. 残根歯数は, 一般棟入所者の方が有意に (P<0.01) 多かった。一般棟では, 82歳未満入所者で有意に (P<0.01) 多かったが, 痴呆棟では, 82歳以上入所者で有意に (P<0.05) 多かった。
    訪問歯科診療の実施には, 高齢者をよく理解し, 歯科的問題点の他に身体機能の自立度, 全身疾患, 服薬情報等を加味し, 診療方針を立案する必要があると再認識した。
  • 古屋 浩, 米田 孝信, 溝口 万里子, 中澤 正博, 森 宏樹, 佐藤 輝重, 粟飯原 靖司, 山田 真木子
    2003 年18 巻2 号 p. 146-148
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
    八千代市歯科医師会では八千代市とのタイアップのもと, 平成5年10月より訪問歯科診療を開始した。在宅歯科訪問事業以前より, 寝たきり高齢者患者の予備力低下に伴う治療上の危険性に着目し, 予診評価システムの開発に着手した。
    このシステムは, 診療前の全身評価と現疾患の把握のため, 血圧を始めとして心電図所見, 心拍数, 不整脈の有無, SpO2などのモニタリング計測値, 現病歴, 合併疾患, 投薬の有無, さらに補足する意味合いからADLを参考に治療危険度を, 各々インデックス化することにより評価するものである。仏ACI社のデータベースシステム4thDimensin®をもとにコンピュータソフトウエア (在宅診療管理®) (図1) を独自に開発した。
    前述のパラメータを入力することにより, 治療危険度を算出し, 対応する治療内容の指標を具体化, 効率的に予診評価を得ようとするものである。さらにこの指標化された治療危険度と対応する治療内容について予診委員会を設置し, 複数の意見をもって評価可能となっている。これまでに咬合機能の回復により寝たきり状態であった患者が日常生活が可能になったケースが見受けられることがあり, 各患者の主訴に合う治療を可及的に実施するようにしている。これを可能にするためには全身評価を含めた状態把握が必要不可欠であり, 評価システムを構築するに至った。
  • 下山 和弘, 渡辺 由利子
    2003 年18 巻2 号 p. 149-153
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 俊夫
    2003 年18 巻2 号 p. 154-155
    発行日: 2002/03/09
    公開日: 2012/02/17
    ジャーナル フリー
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