老年歯科医学
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各種義歯洗浄剤のバイオフィルム形成Candida albicansに対する除去効果
白井 やよい鈴木 奈央鎌田 政善清浦 有祐
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2004 年 19 巻 3 号 p. 156-160

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抄録

抄録: 義歯性口内炎の原因となるCandida albicans (C.aibicanS) に対する義歯洗浄剤の除去効果について調べた。検討した義歯洗浄剤はピカ, ポリデント, タフデント, コレクトの4種類である。使用したC.albicansは高齢者の口腔内から分離した4菌株である。
in vitroでバイオフィルムを形成したC.albicansに義歯洗浄剤を添加したところ, 30分後には対照の蒸留水に比較して有意な除去効果を示した。しかし, バイオフィルムを形成したC.albicansの多くをプレート底面から除去するには60分以上の洗浄時間が必要であった。さらに洗浄時間を6時間まで延長すると, バイオフィルムを形成したC.albicansはほとんど除去された。しかし, 4種類の義歯洗浄剤の中の1つは高い洗浄効果を得るためにさらに洗浄時間を24時間まで延長する必要があった。
したがってC.albicansのバイオフィルムを充分に除去するためには, 長時間に渡って義歯を洗浄剤に浸漬する必要があることが明らかとなった。そして, 義歯洗浄剤の評価法の一つにバイオフィルムを形成したC.albicansに対する除去効果の程度も加える必要があることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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