老年歯科医学
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介護老人福祉施設における食事形態および義歯装着の状況とそれらに関わる要因
水口 俊介高岡 清治伊藤 淳二國分 康有宮下 健吾下山 和弘植松 宏
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2005 年 20 巻 3 号 p. 180-186

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抄録

東京都中央区内の介護老人福祉施設2施設の入居者の口腔内状況, 介護状況の調査を行い, 入居者の食事形態や義歯使用の状況と, 日常生活自立度, 認知症の程度, ADL等との関連について検討した。
義歯使用の状況は, 義歯必要者数が145名中125名, 不必要な者が12名, 口腔内を調査できなかった者が8名であった。義歯必要者125名のうち義歯を所持している者が58名, このうち義歯を使用している者が52名であった。大部分の者が咬合支持がなく, 半数近くが無歯顎であった。食事形態については, 要介護度, 自立度, 認知症の程度, 咬合支持, うがいの能力, 食べこぼしの有無, 義歯使用の有無との有意な相関が認められた。年齢, 残存歯冠数については前者より弱い相関が認められた。
義歯必要者において, 要介護度, 認知症の程度, ADL各項目 (移動, 食事, 排泄, 入浴, 着衣, 整容, 起立動作, 意志疎通), うがいの能力, 食べこぼしの有無の項目で義歯使用との関連が認められた。

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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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