老年歯科医学
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歯学部学生に対する摂食・嚥下リハビリテーションに関する教育の現状
戸原 玄植松 宏
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2008 年 22 巻 4 号 p. 383-388

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抄録
平成13年歯学教育モデル・コア・カリキュラムー教育内容ガイドラインーを参照すると, 摂食・嚥下リハビリテーション関連講義の到達目標は「嚥下の意義と制御機構を説明できる, 嚥下障害を概説できる, 摂食・嚥下リハビリテーションを説明できる」とある。しかしこれまでこの課題に関し具体的に調査した報告はない。そこで今回, 全国の歯学部で行われている摂食・嚥下リハビリテーションに関連した教育内容を調査したので報告する。また併せて当大学における教育内容の現状を振り返り, 歯科における今後の摂食・嚥下リハビリテーションに関する教育について検討した。
平成18年2月~3月に, 全国28大学の歯学部に対し郵送にてアンケートを行った。調査項目は学年ごとの講義・実習回数とその内容とした。
回収率は82% (28大学中23大学) であった。平均講義回数は10.8回, 平均実習回数は2.8回だが, いずれも大学間のばらつきが大きかった。学年別では, 講義は3~5年生, 実習は5年生に対して多く行われていた。講義内容は多くの大学において必要な一連の項目が網羅され, 体験実習や見学を行っている大学も複数存在した。
アンケート結果から, 歯学部学生に対する摂食・嚥下リハビリテーションに関する教育は時間的には十分になされ, 我々の当大学における実習成果などを考慮すると教育方法を工夫することで教育効果を挙げられると考える。今後の課題は大学間における摂食・嚥下リハビリテーション関連授業の標準化であろう。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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