老年歯科医学
Online ISSN : 1884-7323
Print ISSN : 0914-3866
ISSN-L : 0914-3866
当院における高齢者入院患者の口腔内衛生管理について
館 尚子山田 伶子稲見 研二
著者情報
キーワード: 地域医療部, 高齢有病者
ジャーナル フリー

1990 年 4 巻 1 号 p. 89-93

詳細
抄録

近年, わが国は急激な高齢化社会を向かえ, 病院を受診する高齢者が増加し, それにともない病院歯科の受診希望も増加してきています。当院は札幌北部と隣接してはいますが病院周辺は石狩川をはさんだ, 農, 漁村地域で昔からの姿を変える事なく無医地区として取り残されています。当院は16年前に “地域と触れ合う医療の実践” を目的として開院し, 現在独自の “地域医療部” というシステムが確立しており, そのチームアプローチに歯科も加わったため歯科を受診する高齢者も日々増加しています。
6月現在, 当院には65歳から96歳までの高齢者入院患者は112名おり, 平均72.9歳です。患者の多くは合併疾患を持っていて, そのほとんどが要介護高齢者であるために歯科受診希望がある場合には “地域医療部” すなわち病院全体でチームを組み, 治療開始から終了, そして退院後の診療, 定期診査までを患者個々の全身状態および取り巻く環境に応じて行っています。
今回は6月上旬の高齢者入院患者の口腔内について報告すると共に, 当院の地域医療部のしくみについて紹介し, どのようにして有病高齢者の口腔衛生管理を行っているのかを報告します。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top